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  良心から遠い場所にある法律 


こういう事件があった。
記憶に残っている人もいるだろう。

大阪市西淀川区の女の子の遺体が奈良市の山中に遺棄された事件は記憶に新しいと思う。
保護責任者遺棄致死容疑で再逮捕された小林って男、今年3月中旬以降、子供にほぼ毎晩、数時間にわたってせっかんしたり、ベランダに閉め出したりして睡眠不足に陥らせていたんだそうだ。
せっかん中に女の子が居眠りをすると逆上してさらに暴行したため虐待がエスカレート。
警察の調べでは、3月10日ごろから深夜に及ぶせっかんを繰り返し、ベランダに連日閉め出し、室内で寝させなかった。
ベランダでは布団を与えず、床にシートを敷くだけ。
女の子は寒さなどでほとんど眠れなかったため、室内に戻されてせっかんを受けている際に居眠りしてしまうことがしばしばあった。
このバカは「しかられているのに居眠りしたのでさらに殴った」と供述。
食事は1日におにぎり1個。
おにぎりは小林容疑者と母親らが食べ残したご飯で作り、水も500ミリリットルのペットボトルを1日に1本与える程度。


ひどい事件だよね。
これ、殺人ではなく、保護責任者遺棄致死罪での裁判になるらしい。

死因が衰弱死、ベランダに放置されたり、暴行を受けたりしたことが死因とまでは断定できないのが地検側の理由とか。
母親は、ベランダに放置された死亡直前の子供の様子を「壁にもたれて何かつぶやくように口を動かしていた」と供述している。
すでにうわごとを発する状態だったとみられるが、母親は窓越しに子供の様子を一見しただけで外出。
子供は、その数十分後に死亡しているのが見つかった。

↓ここ数年に起きた子供が被害者になった殺人。

・乳児を殺害して遺体を車内に放置した母親に、執行猶予判決
・「贖罪の道を」と執行猶予 赤ちゃん投げ落としの母に
・乳児死体遺棄の母親に執行猶予判決
・高校のトイレで男児出産→直後に男児死亡 殺人で家裁送致の少女に不処分の決定
・二男投げ死なせた母に執行猶予判決
・えい児殺害の母親に執行猶予付き判決(2008年4月28日)
・嬰児殺害の母親に執行猶予(2008年11月17日)
・2児殺害の母に執行猶予 「同情禁じ得ない」広島高裁
・乳児死亡で母親に猶予判決 山口地裁、殺意認めず
・心神喪失状態だった 八戸小4男児殺害の母親、不起訴処分
・生後6ヶ月の長男を刺殺した母親に無罪判決

これを見るとわかるように、子殺しでは執行猶予判決が多いのが印象的。
※執行猶予とは、「懲役3年・執行猶予4年」の判決の場合、執行猶予期間の4年の間に違法行為を行なわなければ懲役3年の刑の効力が消えるというもの。

で、なんで抵抗すら出来ない幼児を殺して執行猶予なんだ?
俺がこの事件にこだわるのは、単なる子殺しではなく、長期間の虐待があったから。
数ヶ月に渡って拷問を繰り返して苦痛を与えた末に死に追いやる行為なんだから、通常の衝動的な殺人よりも罪が重くなければならないのではないかな。
第二次大戦中、収容所でユダヤ人を衰弱死させたナチスの看守などは「人道に対する罪」を問われて絞首刑になっている。
法が追いついていないし、歪んでいる。
「酷い虐待をして寒さの残る夜に放置したら死ぬ」という当然の論理が検察には理解できないのか?

まだ言葉も喋れない・歩けない赤ちゃんに食事を与えずに遊んでいて死なせたとしても「殺人」じゃないんだよ。
これっておかしいよなぁ。

これについてはマスコミは沈黙気味。
総理が文字を読み間違えたことよりも、人の心に疑問を生じることを正面から採り上げるのが報道するものの役目じゃないのか?
もっと深く掘り下げてくれ!
日本では、まだたくさんの子供たちが「いわれのない虐待」を受けて苦しんでいる。
解決する役目を期待しているわけじゃない。
疑問を投げかけ、考えさせる時間・法律改正への道を作ってもらいたいだけだ。


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