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  カクテルの女王 


「カクテルの女王」という飲み物を知っていますか?
「マンハッタン」といえばわかるでしょうか。
昔からパーティには欠かせないカクテルで、スイート・ベルモットを使った甘めの味が女性から好まれています。

このカクテルは、マンハッタンに夕日が落ちる様子を表現したものです。
洒落てますよね。

「ボクのハートとマンハッタンのチェリーは同じだよ。君に酔ってる」と言ってみたいものものです。 あ、慣れないことを書くから背中が痒い!(-_-;)

非常に強いカクテルですが、使うライウィスキーの種類によって味が違ってきます。

▼作り方の基本
①材料をミキシンググラスに入れてステアする。
②カクテルグラスに注いでマラスキーノ・チェリーを飾る。

▼バリエーション
【ドライ・マンハッタン】スイート・ベルモットをドライ・ベルモットに替え、チェリーをオリーブに替える。
【セントラル・パーク】チェリーの替わりに中央にパセリの葉を置く。
【ロブ・ロイ】ベースのライ・ウイスキー、またはバーボン・ウイスキーをスコッチ・ウイスキーに変える。
【キャロル】ベースがブランデー。
【リトル・プリンセス】ベースがラム。
【バーボン・マンハッタン】ベースがバーボン・ウイスキー。
(参考:ウィキペディア)

ちなみに「カクテルの王様」もいます。「マティーニ」のことです。
また、「カクテルの従兄弟」は焼酎らしいです(これは嘘です!)。


  言っちゃダメ~~~ 


女性が男性を刃物で切りつけうという事件が昨日(7日)東京都文京区で発生しました。
「痴話喧嘩?」と考えるのが普通ですが、二人は出会い系サイトで知り合ったばかり。
「男がエッチを迫ったのでは?」と考えるのも普通ですね。その状況から逃げるために女性が刃物を振り回して抵抗した……と。

しかし、実際は女性が好みのタイプではなく「太っているから、車を降りろ」と男性は言ったそうです。
その言葉で、女性の中で何かが「プツン」と切れたんでしょうね。
気にしていたんだと思います。
男性は背中や左手に軽傷を負わされ、女性は逃亡(まだ見つかってはいません)。

大怪我じゃないのが幸いですが、どっちもどっちですね。

でも、男性はなぜ女性への禁句を言ってしまったのでしょう?
気にする女性が多いようなので、よほど親しくない限りは「デブ」とか「ポッチャリ」とか言っちゃダメなのに……。
※たまに私もそのような暴言を吐いて顰蹙を買うことが……。

健康的なポッチャリ程度ならまったく問題ないと私は思います。
ただ、気にする人は気にしてしまうんでしょうね。

まずは自分の痩せない原因を調べてみましょう。


 【爪で肥満遺伝子を調べる「DNA SLIM」】(株)ハ-セリ-ズインタ-ナショナル

TVや新聞、雑誌などでも報じられましたが、爪で太りやすい体質(肥満体質)かどうか判断できるそうです。
検査手順は簡単。爪を切って問診表とアンケートを専用封筒に入れて分析センターへ送るだけです。
体質によって食事や運動の方法が違うので、まずは自分の肉付きのよさ(ハッキリと書けない気弱な私…)が遺伝的なものかどうかを知りましょう。


  誓いの言葉


 健やかなるときも
 病めるときも
 
 喜びのときも
 悲しみのときも
 
 富めるときも
 貧しきときも
 
 これを愛し
 これを敬い

 これを慰め
 これを助け

 死が二人を分かつまで
 ともに生きることを誓いますか?


 キリスト教会で行なわれる結婚式で用いられる(伝統的な)「誓いの言葉」だ。
 面白いことに、離婚率の増加を考慮して「死が二人を分かつまで」の部分を「二人が共にいる限り」などと言葉を変えて、二人だけの「オリジナルの誓いの言葉」を使う(現実的な?)カップルも増えている。

 長い歳月をかけて磨き上げられた「誓詞」。
 恋愛に対する認識が多様化する中で、理想の恋愛像を提示している(根源的ともいえる)言葉だ。
 お互いを大切に思いながら生きてくことができたら、きっと幸せな人生を送れることだろう。
 でも時間は残酷だ。
 生活に追われる毎日に、相手への優しい思いを忘れている人も多い。
 「二人が出会ったきっかけ」「最初のデートコース」「初めてキスした場所」「最初の大喧嘩の原因」……。
 もう一度、思い出してみるといい。
 記憶の宝石箱を開けると、『二人の幸せな思い出』がキラキラと輝きを放ちながらギッシリと詰まっているはずだ。
 そのことを思い出せたなら、今よりもっと穏やかな優しい気持ちで相手を見ることができる。
 
 これから恋愛を始める人は、いま手元に空の宝石箱を持っている。
 その中に、二人で一緒に「玉石混淆の宝石」を詰め込みながら生きていくわけだ。
 「悲しいこと」も「美しいこと」も「汚いこと」も「優しいこと」も、いつかはすべてが二人だけの宝石に生まれ変わる。
 その宝石は、二人が死ぬまで輝き続ける。
 心の中でキラキラ輝き続ける。


  運命の赤い糸


 「結ばれる未来を持つ男女は、お互いの小指同士が赤い糸で結ばれている」という伝説がある(由来は中国の宋時代(960~1279年)に書かれた「太平広記」にある「定婚店」)。

 要約すると
 
 「中国の青年が縁談相手会うために出かけていく途中に一人の老人に出会う。その老人はその縁談の失敗を予言し、将来結ばれるべき相手は「この赤い縄で足と足が結ばれている」と告げ、青年と縄と結ばれている貧しい幼女を紹介した。青年は怒り、幼女の額に刺し傷をつけた。その数年後、青年は結婚。相手の娘の額にはその傷がついていたという」

…と、こんな感じ(日本に伝わった頃には、「足と足」が「小指と小指」に、「縄」が「糸」に変わった)。

 結婚間近の女性(20代半ば)と話す機会があった。
 結婚願望が強く「結婚」には前向きな様子。
 彼女との結婚を望む男性の親と近いうちに食事をする予定らしい。
 しかし、彼女の気分が乗っていないことは言葉の端々から感じ取れた。
 相手は仕事で国内にいないことが多いらしく、彼女自身も(それほど)愛情がないようだった。
 「ふ~ん、そうなんだ」ってことしか(何の関係もない)俺からは言えなかった(「マリッジブルー」の一種かな? とも考えた)。
 そういう人の間にも赤い糸はつながっているのかな?
 結婚してからの方がより幸せを感じられる人もいるだろうから、死ぬ間際に結論を出すしかないのかもしれないけど。
 「見えないのに何で赤い糸って(色が)わかるんだ?」という突っ込みはなしにしても、やり直すことのできない人生では結果がすべてなんだろうな。本当は悲喜こもごもの思いが無色の糸を赤く染めていくのかもしれない。
 ただ、周囲に気を使うことも大切だけど、自分が一番幸せになれると思う道を選択する方が、失敗することがあっても後悔はないと思う。
 「縁」があって知り合いになったんだから幸せになってもらいたいな。


  「ゼロ」から始まる冒険


 町で、偶然に幼馴染と会った。
 小学低学年の頃、近所に住んでいた子だ。
 僕たちは、時々一緒に帰った。
 いつも彼女が話し役で僕が聞き役だった。
 そこで、彼女の作った「結末のない物語」を聞かされ、保母さんか看護婦さんになるという彼女の夢を聞かされ、学校で起きた(彼女にとって)面白かった話を聞かされた。

 顔を合わせるのは7年ぶりくらいだった。
 誰でもそうだけど、彼女も同様に過ぎ去った年月のほどに年をとっていた。

 近況報告の中で彼女が婚約者と別れたことを聞いた(疎遠になっていたので僕は婚約していたことすら知らなかった)。
 ……「わたしたち、子供のころに二人でいろんな冒険したよね」
 ……「わたし、冒険する予定だったの。結婚して、子供を産んで、子育てして、子供の運動会で応援して、旦那や子供と時々喧嘩して、年をとって孫を抱いて、のんびり縁側でお茶なんか啜ったり…」
 ……「ねぇ、わたし、冒険したかったのよ。小さいけれどわたしなりの…」
 ……「わたし、誰かと…じゃなくてあの人と冒険したかった。でも違う人と冒険に行っちゃった」

 彼女は最後に寂しそうに言った。
 「結婚はゼロから始まるロマンなの。人間って生まれた時から何かを得たり、何かを損ないながら成長するけど、結婚は違う。二人で何もないところから「家庭」を始めて育てていく。ちっぽけなんだろうけど、きっとすごい冒険の海が広がってると思うな」

 彼女と最後に会ってから数年が過ぎた。
 彼女は素敵な旦那と巡り会えて、今頃「冒険の海」をニコニコ笑いながら泳いでいるのかな。
 旦那や子供と時々は喧嘩して、近所のオバちゃん連中とくだらない噂話を楽しみ、子供の運動会にワクワクしながら出かけて…。
 そうだったらいいな。


 素直な気持ち


 僕たちはいつもの喫茶店にいた。
 小さく開けた窓から春の香りを乗せた風が流れ込んでくる。
 駐車場の脇には桜の木が等間隔に植えられ、八分咲きの花を午後の日差しが照らしていた。

 「花は好き?」真理子は聞いた。
 「特に好きってわけじゃないな」
 「そう。残念ね」つまらなさそうな口調の真理子。
 「なんで残念なんだ?」
 「なんでって言われても困るわ」
 真理子は、流行している歌を口ずさんだ。
 「あなたって歌も好きじゃなかったわよね」
 「好きでも嫌いでもないだけ。この世からなくてもいい存在だね」
 「私はあってほしいな。好きだし」
 「でも花じゃ満腹になれないし、歌っても掃除洗濯はしないといけない」と僕は笑いながら言った。
 しばらく考えて真理子は僕に尋ねた。
 「じゃあ、もし無人島で暮らすとしたら何を持って行きたい? 三つだけね」
 「それは何かのオチが必要なの」僕は笑った。
 「必要ないわ。無人島には電気もガスもないのよ。水は豊富にあるって設定ね」
 「野菜の種と魚釣りの道具、ライターかな」
 真理子はクスクス笑う。
 「現実的ね。まずは食べること……かな」
 「食べなきゃ死ぬからね。とても大事なことだよ」
 「わかるわ。大人の答えだね。でももしあなたが17歳だったらどんな答え?」
 僕はちょっと考えて、真理子に言った。
 「エッチな本は欠かせない」
 ケラケラと笑う真理子。
 「真理子はどうなんだ?」
 「私は無人島なんて行かないもん。あなたは行くかもしれないけどね」
 ニヤリと笑みを浮かべ悪戯っぽく舌を出す。
 「卑怯者」
 「そうよ。女って卑怯なの。知らなかったの?」
 そう言いながら指先を僕の左指に絡めてくる。

 僕らはもう大人だった。
 お互いがもう少し若くて正直に自分の気持ちを相手に伝えることができたなら、きっと同じ意味のことを言っていただろうな。
 「一番持って行きたい(連れて行きたい)のは『あなた』」だって。
 もっと早くに知り会えていたなら……僕はいつも思う。


 時間のカーテン


 昔付き合いのあった子と顔を合わせる機会があった。
 美人ではないけどドキドキするような魅力を感じさせる(透明な)笑顔は相変わらず素敵だった。
 新しくできた娯楽施設の話、鳥インフルエンザの話、布団干しの時に布団の表側も干すべきかどうかの話をした。
 表面上は「知り合いの友達」という関係だった。そんな付き合いがあったことすら誰も知らなかったはずだ(今も知らないと思う)。
 その時期、その瞬間だけ、お互いに不足しているものを補うかのように接近する必要があり、お互いの人生の中での必然だったのだろうと思う。
 「いまは幸せ?」
 「旦那とうまくやれてるの?」
 「子供はやっぱりできないの?」
 聞きたいことはたくさんあった。しかし、そんなことを聞ける親密さはすべて「時間」というカーテンの向こう側に置いてきた。
 あの頃は既にボクも彼女も大人だった。そしてそれからの時間がもっとボク達を大人にした。
 他人を傷つけず、自分も傷つかず生きていく「時間の優しい使い方」は二人とも合格点。今日は当たり障りのない世間話だけで終わったし、将来もそんな感じだと思う。

 人生を線に喩えると「二本の直線が一瞬だけ交差した瞬間」があの頃だったのかもしれない。
 そしてその線が交わることが二度とないことをボク達は知っている。
 「お互いの記憶の片隅に残るほんのわずかな楽しい思い出」……そういうのも悪くはないな。


  幸せの結末 


 喫茶店の日当たりのよい席に僕たちは腰掛けた。
 いつものように、僕はコーヒー、真理子はオレンジジュースを注文する。
 「ねえ、聞いてくれる?」
 真理子はストローの包装紙を指先でクルクルと丸めながら僕の顔を覗き込んだ。
 「うん」
 真理子はデートのたびに、実にいろいろなことを話した。
 世界中で読者を一人しか持たない小説家のように、僕の顔を見ながら(大切な読者に向けて)ありとあらゆるメッセージを伝えようとした。
 仕事のこと、お洒落に気を使い始めた中学生の娘のこと、半年前に買った中古車の調子が悪いこと、庭に植えたビオラの生育が悪いこと、洗濯機の調子が天気によって大きく変わること…。
 僕は「うん」と相槌をうったり、「それで?」と話を促したりした。
 実のところ、僕は真理子の話を半分も聞いちゃいなかった。
 楽しそうに話す真理子、悲しそうに話す真理子、悔しそうに話す真理子…。
 そんな真理子の表情を見ているのがとても好きだった。
 「ちゃんと聞いてる?」
 彼女は時々僕に確認した。
 「もちろん聞いてるよ」
 僕は答えた。
 そして真理子は話の続きをはじめる。
 すごく無意味な時間だったかもしれない。そこからは「何かを得る」ことも「何かを喪う」こともなかった。
 だけど、僕はその無意味な時間が好きだった。
 「世界の終わりの日」が来ても、テーブルに頬杖をついて、真理子の「世界が終わって悲しむのはきっと占い師ね」というたぐいの(無意味な)話を聞いていたことだろう。
 
 「結末のない存在は意味を持たないもの」と、大昔のある哲学者が言っていた。
 確かに一面ではその通りだと思う。でも違う。
 僕はずいぶん後になってから知った。
 「幸せの結末」に用意されている選択肢は「幸せの終わり」だけではなく、「平凡な日常」もあることを。人が求めているものは、幸せな人生ではなく、平凡な人生なのかもしれない。
 人は成長し変化する。
 いろいろな不幸や経験を繰り返して、表面上は変化していく。しかし本質的には変わらない。
 真理子を好きでいることを忘れない限り、きっと(形は変われど)求める幸せの本質は変わらないだろう。
 
 僕の求める幸せ?
 真理子…。
 もしかすると、僕は喪ってしまったのか?
 
 「真理子…。もう少し話をしよう。僕たちにはまだ話すことがたくさんあったはずだよ」
 僕は呟いた。
 もちろん真理子にその声は届かない。
 世界中の誰にもその呟きは聞こえない。
 僕の心の中で、喪われつつある真理子の記憶を求めて空ろに響くだけ。


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